富山県下新川郡朝日町蛭谷(びるだん)では
400年前から手仕事で和紙を製作しています。
その和紙が、現在、国の伝統的工芸品として指定されている
『蛭谷和紙』(びるだんわし)です。
和紙の繊維となる楮(こうぞ)は、蛭谷の山に自生しているものを使います。
本当の意味での無農薬ですね。
和紙作りには、楮の他に、トロロアオイという植物を使います。
このトロロアオイは、職人さん自ら、種から栽培しています。
トロロアオイは、白くてかわいい花を咲かせます。
この釜で楮を煮ています。
ここは、かつての村の共同作業場です。
蛭谷の紙漉き職人さんたちは、家で使う楮の準備を、ここでみんなでしていました。
それから、楮を家にもって帰って
それぞれが紙を漉いていたのです。
ですから、昔は、もっと大きな釜を使っていました。
こんなに大きな釜も、作業場も
今では、たった一人の職人さんが守っています。
北陸の冷たい空気の中で、白い息を吐きながら
職人さんは、 一人、もくもくと作業をしています。
でも、その作業の手が休むのも
今では、時間の問題かもしれません。
日本や世界の各地で、ひっそりと消えていった
たくさんの伝統文化の運命のように。
蛭谷の和紙を手にとった人なら
きっと、本物の和紙の力強さに驚き、忘れられなくなります。
指に吸いつくような手触り。優しい色合い。透過する光の美しさ。
どうぞ、本物の和紙に触れてみてください。
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